商品一覧

煎茶器 辰砂釉 特上 豊斎作

十五世窯元松林豊斎が作る「辰砂釉」の煎茶器

お茶と器を愛してやまない方にとって
最高峰の煎茶器の一つであることは間違ありません。

時々、朝日焼のお店にいらっしゃるお客様が
自分の父親がこの辰砂釉の煎茶器を持っていて
よくお客さんにお茶を淹れながら自慢してました。
というようなお話をして下さいます。

150年以上前から煎茶器を作っている朝日焼が
いつの頃から辰砂釉の煎茶器を作っているのかははっきりとしませんが
宇治を中心としてお茶好きのこだわりのある方々に
朝日焼の辰砂釉の煎茶器は高く評価されてまいりました。

辰砂釉の煎茶器の最大の特長は、
何といってもその美しい赤色にあります。
辰砂釉の赤色は、銅を含んだ釉薬の還元焼成によって得られるもので
その技法は中国の清の時代より見られます。
「辰砂(しんしゃ)」という天然朱色の原料となる硫化水銀の鉱物から
名付けられた釉薬は、「血の赤色」と表現されることもある非常に魅力的な色です。

ただ、辰砂釉は不安定な釉薬として有名で、美しい赤色を出すことは非常に難しく
釉薬の調合、厚さ、素地土、焼き方の四つの条件がうまく揃ってはじめて良い色が出ます。

焼き物屋に伝わる古い言葉に「辰砂に凝ると 身上をつぶす」
というものがありますが、時折、美しい赤色を見せてくれる辰砂釉ですが
その色に魅せられてのめり込んで行くと、失敗ばかりが膨らんでとても食べていけない。
という意味だそうです。

少しのことで赤く発色したり、しなかったりする辰砂釉ですので
一つの器の中でも、赤が濃い部分、薄い分、まったく白い部分と大きく表情が変わります。
また、その表情の変化も辰砂釉の器の愉しみの一つですが、
作り手にとっては、失敗すると真っ白なだけの器がたくさんできてしまいます。

朝日焼では、先々代の頃の辰砂釉は綺麗だったと多くの方がおっしゃいます。
先代は、良い色を出すのに非常に苦労していました。
しかしながら、当代になって、先々代の色に近付いたと言っていただく方もあり
当代豊斎は辰砂釉を非常に得意としております。

それでも、辰砂釉の発色が良いのは窯の中のごく限られた部分だけですし
そこに窯詰めしても、毎回綺麗な色になるわけではありません。
釉薬の原料や、素地土、窯のコンディションに変化がると
突然に全然取れなくなってしまうこともあります。

こんなに不安定な辰砂釉ゆえに、美しい色が焼き上がった時の喜びは大きいです。
希少な辰砂釉の煎茶器のうち、特に焼き上がりの良いもので揃えましたのを
「煎茶器 辰砂釉 特上」としてお出ししております。
「特上」は常にご提供できるわけでなく、焼き上がりの良いものがある場合にのみ
お出しさせていただいておりますので、ご希望の方はお問い合わせください。

  • セット(宝瓶、湯冷し、碗2客)
    セット(宝瓶、湯冷し、碗6客)  324,000円(税込)
    宝瓶:Φ92×76mm(口先:116mm)
    湯冷し:120×80×37mm
    碗:74×43mm

*ご希望の場合はお問い合わせください。
 基本的にはセットのみの販売ですが、単品についてもご相談ください。
*一品一品手作りのためサイズは多少異なることがあります。

煎茶器 辰砂釉 特上 豊斎作
素材
磁器
梱包
木箱(豊斎箱書)
価格
324,000円(税込)

お問い合わせ

送料 全国一律:860円
5,000円以上ご注文で送料無料
在庫あり:3営業日以内に発送
在庫なし:お届けまで2ヶ月程掛ります。
ご注文頂きました方には、より具体的な納期をお知らせ致します。
お支払い、クレジットカードへのご請求は商品の発送後となります。

  • デザイン
  • こだわり
デザイン

写真:

  • 写真:煎茶器 辰砂釉
  • 写真:煎茶器 辰砂釉
  • 写真:煎茶器 辰砂釉
  • 写真:煎茶器 辰砂釉

小さい画像をクリックすると、その上部で大きい画像をご覧になれます。

こだわり
1最後の一滴まで注ぐことのできる150個以上の宝瓶の穴
宝瓶の穴宝瓶(持ち手のない急須)の胴体に直接、150個以上も手作りであけた穴は、大き過ぎれば茶カスが碗の中にたくさん入ってしまい、小さ過ぎれば、お茶の「とろみ」と本来の旨さを損なってしまいます。
その最適な大きさ約1.5mmの穴が、宝瓶の底の方までびっしりと150個以上あけてあることで、最後の一滴まで注ぐことができ、お茶の味を最大限に引き出します。
胴体と穴の部分を別々に作ってくっつける方が制作としては簡単なのですが、その場合、くっつけた部分が洗いにくく、汚れがたまりやすかったりするので、朝日焼では胴体に直接、穴をあけることにこだわっております。
また、穴が多くあいていても底の近くにまであいていないと、最後の一滴まで注ぐことが難しく、底のギリギリまで穴があいているのも朝日焼のこだわりです。
このような事は、長年の磨かれた技術によって可能になるもので、他の窯元が真似をしてできるものではありません。
2乾燥後のコンマ数ミリ単位の仕上げによるピタッと隙間なく閉まる蓋
宝瓶の蓋急須の蓋の閉まり具合を見ていただくと、それが丁寧に作られた物かどうかが分かります。
焼物は制作した段階からどんどんと収縮していきます。制作時から乾燥で約8%、焼成時にさらに約8%、合計で15%以上縮みます。
そのため、蓋と胴の大きさはちゃんと合わせておいても、少しの差がでてきます。その差をなくすためには、胴と蓋を乾燥段階から常に同じペアで合わせた状態にし、完全に乾いた段階で、あらかじめ少し大きめに作っておいた蓋をわずかに削って大きさを合わし、さらに焼成の時も蓋を閉じた状態で焼きます。
そのため、ほとんど同じ大きさに見える蓋でも、蓋と胴を交換してしまうときっちりと噛み合う事はありません。
この手間を惜しんでしまうと、ピタッと閉まる蓋にはなりませんので、急須や宝瓶の蓋の閉まり具合を見ると、器の作りの良し悪しがすぐに分かります。
3繊細な仕上げによる水切りの良い注ぎ口
宝瓶の注ぎ口水切りの良さは急須の命とも言われます。
朝日焼では制作工程の中でも特に口づくりに細心の注意を払って制作しております。
急須の水切りは作り手の頭を悩ますものの一つです。それを簡単に解決するために、ビニールを装着した急須をよく見かけますが、見た目の悪さも気になりますし、何よりビニールと陶器との境目に汚れがたまりやすく衛生的に良くありません。
朝日焼の宝瓶の注ぎ口は、一度形を整えた後に、刷毛拭きという工程でも念入りに注ぎ口の内側のカーブを整えていくことにより、水切りの良さを実現しております。
4お茶が淹れやすく、茶ガラを捨てやすい大きな口と三日月形の蓋のあわせ口
三日月形の蓋のあわせ口朝日焼の宝瓶は、三日月形の蓋の合わせ目がお茶を淹れる茶漉しの穴の上の部分にのみ付いています。
制作の最初の段階では器の淵をグルッと一周しているものを切り落として三日月形にします。この三日月形の部分で、お茶を淹れるときには茶葉が蓋についてしまうのを防ぎ、茶ガラを捨てるときには、注ぎ口を覆うように持っていただくと、茶ガラをスムーズに捨てることができます。
口を広めに取っている事とともに、日々使っていただく器ですので、茶ガラの捨てやすさにも気を配っております。
5女性の手にも持ちやすい大きさで、しっかりと手になじむ形
手になじむ形宝瓶は急須のように持ち手がないために、器を上から片手で蓋を押さえるように持つのが一般的です。
この持ち方をした時に、どれだけ手におさまりが良いかが宝瓶の使い勝手に大きく影響します。
河濱清器は女性の手にも持ちやすい大きさで、口に向かって広がっていく器のカーブが、ちょうど指に掛かり、とても持ちやすい作りになっております。
6胴体、注ぎ口、蓋の3つの部分をすべてロクロ成形で行うことによる器の一体感
ロクロ成形朝日焼の宝瓶は、胴、口、蓋の3つの部分をすべてロクロ成形の手づくりで制作いたします。
「朝日焼はロクロの家だから」と当代豊斎が口癖のように言いますが、すべてをロクロ成で成形することによって、手に持ったときの収まり具合、胴と口との一体感、細かなロクロ目にたまる釉の景色が生まれます。
わずかな事ですが、手間をかけ、積み重ねた技術で作ることによって、全体の印象が大きく違ってきます。
7よりお茶の色を愉しみ、香りを愉しむために工夫された「朝顔形」の碗の形
「朝顔形」の碗の形朝日焼独特の碗の形を「朝顔形」といいますが、朝顔形の碗の形には、お茶、特に上質の宇治茶をより深く愉しむ工夫が詰まっています。
まずはそのサイズ。一般的な碗に比べてお茶の入る量が非常に少ないですが、上質なお茶の味を愉しもうと思うと、ガブガブと飲んでは味わえません。繊細な味に見合った少しの量のお茶を愉しめるサイズとなっております。
そして、底がせまく上に向かって広がっていく独特の形状。これは宇治茶は静岡など関東のお茶に比べて色が薄めであることによります。上質なお茶の一煎目は味は濃く出ていても色は薄い黄色から黄緑色の上品な色です。朝顔形の形状では少量のお茶の量でも、大きな底の碗よりも深さが出ますので、よりわずかな色の違いを愉しみやすくなっております。
また、底がせまく口が広がっている形状のため、香りはたちやすく、色、香り、味の3つを十分に愉しめる工夫があります。
8すするようにお茶を愉しむための、外側と内側でカーブに変化のつけた碗の飲み口
碗の飲み口朝顔形の碗の口元は、外側と内側で微妙にカーブを変えてあります。それは、日本酒を愉しむようにお茶を少しずつすすり飲みしやすいようにです。
上質なお茶は、ほんの数滴を「舌の上を転がすように」愉しむと云われますが、まさにそういう愉しみ方をするのに最適な口の仕上げとなっております。
9お茶の色を愉しむために、外側と釉薬を変えて白くした碗の内側
碗の内側碗の形状ももちろんですが、碗の中が濃い色であれば、お茶の繊細な色を愉しむことはできません。
河濱清器は、碗の外側もお茶の色が映えやすい美しい水色の青磁釉ですが、碗の中側は、白い釉薬に変えることによって、お茶の色合いを愉しむことができます。

ページの先頭へ戻る